空き家

「田舎に空き家を所有しているものの、使い道がなく放置している…」という声も少なくありません。空き家を放置していると、様々なリスクが発生する可能性があります。

空き家を放置すると危険?空き家のまま保持するリスクは?

空き家を放置することで懸念されるトラブルをご紹介します。

リスク1.劣化が進む

リスク1.劣化が進む

空き家になると掃除や換気といった日々のメンテナンスの頻度が低くなるため、躯体や塗装の劣化といった老朽化が進みやすくなります。数か月ほど空き家の状態が続くと、下水道からの悪臭の発生、害虫・害獣の進入、湿気によるカビやシロアリなど、どんどん劣化が進んでしまいます。

木造建築の住宅でシロアリが増殖してしまうと躯体の耐力が失われ、地震発生時に家屋が倒壊する危険が高まります。お家の骨組みまで劣化が進んでしまうと大規模な補修が必要になり、居住するのも売却するのも難しくなる可能性があります。

リスク2.防犯上の危険

空き家を放置すると、建物の劣化に加え、庭が荒れ、明らかに人が住んでいないと分かってしまうことになります。監視の目が届きにくい空き家は不法投棄や放火、不法侵入や不法滞在を招きやすくなる恐れがあります。
空き家だとすぐに判断できる状態は防犯上好ましくないため、定期的な巡回や草刈りに加えて防犯カメラや人感センサーと連動した照明といったセキュリティ対策の検討も必要です。

リスク3.資産価値の低下

資産価値とは?

資産価値とは?

戸建の場合の資産価値とは、「土地の価値」と「建物の価値」のことを指し、建物の価値は年を追うごとに下がっていきます。お家の価値は国が定めた建物の寿命である「法定耐用年数」によって決まることが多く、法定耐用年数を超えるとほぼゼロになり、以降は土地の価格から建物の解体費用を差し引いた金額が査定価格となります。

法定耐用年数を超えると住めないの?

もちろん、法定耐用年数を超えても住み続けることは可能です。法定耐用年数とは建物の実際の寿命ではなく、不動産売買などでの基準となるもので、建物の売却価格も法定耐用年数を基準とすることがほとんどです。さらに築年数だけでなくお家の傷み具合によっても変動するため、空き家を放置して劣化が進んでいるほど資産価値は下がってしまいます。

リスク4.景観の悪化と管理責任問題

景観の悪化とご近所トラブル

十分に管理されていない空き家は周辺の景観を悪化させてしまうため、家屋だけでなく土地自体の資産価値も下落させてしまう可能性があります。また、空き家を放置すると以下のようなトラブルの可能性があります。

  • 庭木や雑草が伸び切り、隣家や道路にはみ出してしまう
  • 害獣が住み着いたり不法投棄などによる異臭トラブル
  • 不法侵入、不法滞在、放火などのターゲットとして狙われやすくなる
  • 空き家の劣化が進行し、家屋の倒壊などによる事故の危険性や近所からのクレーム、訴訟問題が発生しやすくなる

相続放棄によって空き家の管理義務・責任を免れるか?

管理責任については、相続放棄をしてしまえば免れるわけではありません。相続に関して民法940条には「相続の放棄をした者は、相続の放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもってその財産の管理を継続しなければならない」とあります。
空き家を放置しておくことで近隣に何らかの損害を与えてしまった場合には、管理義務を負う相続人が損害賠償責任を負うことはあり得るでしょう。

リスク5.維持管理費問題

住んでいなくても固定資産税がかかる!

不動産にかかる固定資産税は所有者の負担となるため、相続などにより自身が実家の所有者となった場合は固定資産税を支払う必要があります。自身がすでにマイホームの所有者である場合は、双方の固定資産税が発生するため、負担が大きくなります。

メンテナンスには電気や水道が必要!

定期的に掃除や修繕といったメンテナンスを行う場合は電気や水道を開通させるなど、各種インフラの基本使用料の継続的な支払いが必要となります。

空き家でも保険加入は必要!

空き家でも保険加入は必要!

誰も住んでいなくてもなぜ火災保険に入る必要があるのか?一番の理由は「空き家は放火されるリスクが高い」からです。空き家は人の気配がなく、一般住宅よりも圧倒的に放火される可能性が高いのです。
中には「使う予定もないので燃えてしまってもいい」と考える方がいるかもしれません。ですが、住宅が火災で燃えても綺麗になくなるわけではなく、火災の後には必ず解体工事をする必要があり、火災後の解体費用は高額になります。

空き家は保険に入りにくい?

空き家は放火の危険性は高いですし、耐久性に難がある空き家も多いので、小程度の災害でも簡単に壊れてしまいます。このように空き家は損傷するリスクが高いため、保険に入りにくいのです。
ほとんどの大手保険会社の火災保険は空き家を加入対象にしていません。あくまで、人が住んでいる「住宅物件」を対象にしているのです。人が住んでいない「空き家」は住宅物件としては扱われないので、保険に入るのが難しいのです。
空き家が保険に入るには、店舗や病院・ホテルなどと同じく「一般物件」扱いとなります。一般物件用の火災保険は、基本的には店舗やビルを経営する企業向けの保険になりますので、入れる保険の内容が違います。

地震保険に加入できる?

地震保険は基本的に「住宅物件」の火災保険に付帯する形で加入します。つまり、住宅物件の火災保険に加入できない時点で、地震保険への加入は難しいのです。では、どうすれば加入できるのか?条件としては、「別荘として使用しており、家財が備え付けられている」場合に限り、住宅物件と同じ扱いとなり地震保険に加入できます。
ですが、条件を満たしていても家の状態が悪い場合は加入を断られるケースもあり、空き家が地震保険に加入する事はやはり難しいようです。

空き家を所有していると損をする?「空き家対策特別措置法」

空き家を空き家のまま放置している理由としては、解体に費用が掛かってしまうことが大きいでしょう。また、建物の建っていない土地より建物の建っている土地の方が固定資産税が安くなる制度もあり、使わなくなった空き家をそのままにしておいた方が良かったのです。
しかし、2015年に「空き家対策特別措置法」が制定され、空き家を所有していると損をするようになってきました。
空き家対策特別措置法において、倒壊の恐れや衛生上有害となる恐れがあるとして「特定空き家」に認定されると、市町村から所有者に撤去や修繕の命令が下され、従わなければ強制撤去、所有者への費用請求が可能となったのです。

管理が大変になる前に

空き家を所有し続けるには、近隣に迷惑をかけない適切な管理が求められます。長年放置して住環境を悪化させていると行政から「特定空き家」に指定されかねません。一方で、そうならないように維持管理し続けるのは手間やコストも相当にかかります。負担に感じるのであれば、売却するのも一つの方法です。

「空き家」にかかる税金

1.固定資産税・都市計画税

空き家にも固定資産税がかかるの?

空き家にも固定資産税がかかるの?

固定資産税とは毎年1月1日に土地、家屋など固定資産を所有している人に課せられる税金です。
都市計画税は、毎年1月1日に市街化区域内にある土地と家屋を所有している人に課せられる税金です。
空き家を所有することにより固定資産税、都市計画税の負担が生じることになりますが、固定資産税には、土地に建物が建っているだけで土地に関しては税額が最大6分の1になるという優遇措置があります。

「特定空き家」に指定されると優遇措置がなくなる!

土地の上に建物が建っていると、その土地の固定資産税が最大6分の1になるという特例は、家屋が「特定空き家」に指定され、その後改善が認められないと適用されなくなってしまいます。

「特定空き家」とは

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態
  • 著しく衛生上有害となる恐れのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空き家等

と定義されています。
従来であれば、使わなくなった空き家を放置し続けていたとしても、とりあえず残しておけば土地の固定資産税を安く抑えることができましたが、特定空き家に指定されるとこの優遇措置を受けることができなくなります。

住んでいないのに住民税がかかる?

市町村によっては、居住していなくてもその市町村内に空き家を所有しているだけで住民税が課税される場合もあり、大きな負担となります。

2.相続税

相続税は亡くなった方が所有していた財産を相続した人に対して課せられる税金で、空き家を含む不動産も課税対象となります。

相続税の基礎控除とは?

相続税の基礎控除とは、故人が保有していた財産のうち、一定金額までは相続税の申告を行わなくても大丈夫というボーダーラインのことです。
この一定金額とは、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」です。

遺産総額が基礎控除を超えた場合には相続税の申告が必要

「遺産の総額>基礎控除」の場合は相続税の申告を行う必要があり、「遺産の総額<基礎控除」の場合は相続税の申告をする必要がありません。
「遺産の総額」とは、故人が所有していた不動産、有価証券、現金預金、その他の財産もすべて換金し、さらに故人にかかっていた生命保険の金額などを合計した金額をいいます。

取得費加算の特例とは?受けるための要件とは?

相続により取得した土地、建物、株式などを一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるという特例です。
取得費加算の特例は、次の3つすべてに該当しなければ受けることはできません。

  • 相続や遺贈により財産を取得したものであること。
  • その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  • その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年を経過する日までに譲渡していること。

相続税の申告期限は相続開始があったことを知った日の翌日から10か月です。通常は被相続人(亡くなって財産を残す人)が死亡した日に相続開始があったことを知ったことになるでしょうから、つまり被相続人の死亡から概ね3年10か月以内に譲渡していることが要件と考えても差し支えないでしょう。

小規模宅地等の特例の条件や減額率は?

小規模宅地等の特例は、被相続人が自宅・店舗・事務所などとして使っていた宅地を相続や遺贈によって取得する場合、宅地の価格を一定の面積までは最大80%減額して評価する制度です。例えば1億円の宅地でも、小規模宅地等の特例が適応されれば評価額は2,000万円となります。
この特例の対象となる宅地は大きく分けて「居住用宅地」と「事業用宅地」があり、評価額の減額率は面積や事業の内容によって異なります。しかし、いずれも被相続人あるいは被相続人と生計を一にしていた親族が住んだり事業を営んでいた宅地が対象です。
特例の減税率は、宅地の種類や面積ごとに定められています。

3.所得税(譲渡所得)

不動産売却に係る課税対象は?

不動産売却に係る課税対象は?

不動産の売却によって得た譲渡所得にも所得税が課せられることになります。不動産を売却したときには、手に入れた利益(売却益)が「譲渡所得」として課税対象になります。
譲渡所得の計算式は、

「譲渡所得=
収入金額(売った金額)-取得費(買った金額と費用)-譲渡費用(売った時の費用)」

なお、取得費のうち建物の購入代金や建築費については、築年数に応じた減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、相続した不動産などで取得費が不明な場合は、収入金額の5%相当額を取得費とすることができます。

譲渡所得には所得税と住民税が課税される

不動産を売却したときの譲渡所得も所得の一つなので、所得税と住民税の対象となります。譲渡所得に対する税額を計算する場合の税率は、売却した年の1月1日現在でその不動産を所有していた期間によって分類されます。
また、2013年(平成25年)から2037年(令和19年)までは、復興特別所得税として所得税額の2.1%が加算されます。

  • 短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合)
    39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)
  • 長期譲渡所得(所有期間が5年超の場合)
    20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
  • 長期譲渡所得(所有期間が10年超のマイホームの軽減税率の特例)
    譲渡所得6,000万円以下の部分:
    14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別所得税0.21%)
    譲渡所得6000万円を超える部分:
    20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

空き家の譲渡所得の3,000万円控除の特例と対象要件

相続した空き家を売却した場合にも譲渡所得が発生する可能性がありますが、2016年(平成28年)4月1日から2023年(令和5年)12月31日までの間に売却して一定の要件を満たす場合は、「空き家の譲渡所得の3,000万円控除」の特例の適応が受けられる可能性があります。

特例の対象となる3つの要件

  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • 区分所有建物登記がされている建物で無いこと
  • 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと

なお、要介護認定等を受けて老人ホームに入居するなど、特定の事由により相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合で一定の要件を満たすときは、この特例の適用を受けることができます。
その他にも、

  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
  • 売買代金が1億円以下であること。

など細かな要件が定められています。

他の特例との併用

特例の適用を受けようとするときは、他の特例との併用可否についても、予め税務署などで確認されておくことをおすすめします。

特例 併用可否
・居住用住居の3,000万円特例(ただし合計3,000万円まで)
・マイホーム等の買い換えに関する特例
・相続税の取得費加算の特例

空き家の適切な対処法とは?

1. 自分で利用する

■住んだ場合のメリット
空き家に済むことにより維持費はかかりますが家賃はかからなくなります。現在家賃を払って賃貸住宅に住んでいるのであれば、家賃を払う必要がなくなります。

■住んだ場合のデメリット
築年数がかなり経過している場合が多いため、想定外の維持費がかかる場合があります。大規模修繕やリノベーションを行うことを考えたら、空き家に住むよりも新築住宅を購入した方が安くつく場合もあります。

2. 賃貸する

一戸建てを賃貸に出すメリット

一戸建てという資産を運用することで安定した家賃収入が入ってきます。住宅ローンが終わっていればほとんど丸儲けとなります。
また一戸建ての賃貸物件はアパートなどと比べ圧倒的に競合が少ないため、比較的借り手を見つけやすいです。

持ち家を貸すというデメリット

①家賃収入ゼロのリスク

入居者が決まらなければもちろん収入はその間ゼロです。家賃収入をその物件のローン返済に充てている場合は、空室期間には自分の貯蓄や給与などを返済資金に回すことになります。ローンが無かったとしても、戸建は保有している限り固定資産税や都市計画税、建物の保険料といった固定費は発生しつづけます。

②建物や設備の劣化・故障のリスク

建物は時間とともに劣化し、住宅設備もいずれ故障や劣化、性能・機能の低下が生じます。交換や修繕にかかる費用は貸主の負担となります。

③家賃の設定額が減少するリスク

年数がたって建物や設備が古くなるとその分賃貸物件としての魅力が減少しがちになり、家賃を減額しないと入居者が決まらなくなる場合が考えられます。
また、周辺環境の変化や賃貸物件の供給数の変化、入居者ニーズの変化などによって賃貸相場が変動して家賃を下げざるを得なくなる可能性もあります。

④入居者トラブルのリスク

入居者が家賃を滞納する、騒音やゴミ出しなどで近隣に迷惑をかける、退去時に原状回復費用でもめるなど、入居者とのトラブルが発生する可能性もあります。

⑤自分で使えなくなる

住宅を貸す場合、一般的には普通借家契約と呼ばれる契約形態で貸し出すことが多いです。普通借家契約では賃借人(借りている人)の権利が強く守られているため、契約期間満了時に借家人を退去させることはできません。一度普通借家契約を締結してしまうと立ち退き料等を支払わない限り、借家人を退去させることが簡単にできなくなります。

3. 売却する

■売却した場合のメリット
空き家売却のメリットは、現在の価値で空き家を現金化することができる点です。少子化によりこの先大幅に住宅需要が冷え込むことは容易に予測でき、今後、空き家の価値が下がる事はあっても上がることは見込めません。
売却すると、空き家として維持管理していくために必要な費用を支払う必要もなくなりますので、雨漏りなど大きな傷みが出てしまう前に、一刻も早く現金化するのが最も合理的です。
また、生まれ育ったご実家など、思い入れはあるけれども住む予定もなく管理が大変な場合、放置して傷んで荒れてしまうよりは、ご実家を気に入って大切に住んでくださる方に売却することは、お子様に負担をかけずにすむというお気持ちの安心にもつながるのではないでしょうか。

■売却した場合のデメリット
慣れ親しんだご実家を売却すると、兄弟や親戚同士で集まる場所がなくなってしまうなど、寂しい思いを感じられることもあるかもしれません。しかし近頃では、家族や親戚同士の集まりを兼ねて旅行などが主流になっていますので、大きなデメリットにはならないかもしれません。

4. 解体する

■更地にすることのメリット
更地にしてしまえば建物の管理にかかる手間やコストは不要となります。また、立地次第では駐車場など土地としても活用できます。

■更地にすることのデメリット
空き家を解体するには解体費用と廃棄処理費用が掛かり、それなりの費用が掛かります。
また、住宅用地の特例措置が適用されなくなるため、固定資産税は高くなります。

■市街化調整区域内の建物を解体する前に知っておきたいこと
日常生活において普段意識する事は無いかと思いますが、自治体はエリアによって建物が建築できる区域と建物が建築できない区域とを厳格に分けています。その中で、「市街化調整区域」内の土地に関しては、原則建物の建築が出来ないエリアに指定しているのです。
しかし、市街化調整区域の中でも建替えが可能な要件の代表的なものが「線引き前住宅」「既存宅地」「分家住宅」「農家住宅」などがあり、これらを行使して建物を建てているケースがあります。
古い建物が建っている場合は、諸条件はありますが、同用途にての再建築は可能な場合が多いですが、先に建物を解体してしまうと再建築が出来なくなってしまいます。当然ながら建物が建築できる土地と出来ない土地とではその資産価値は雲泥の差があります。ですから、解体してから売却相談ではなく、解体する前に売却等の相談をすることをおすすめいたします。

空き家の売却を依頼するならスローライフへ

空き家の売却を依頼するならスローライフへ

「田舎の空き家を売却したい…」「何から始めたら良いの?」とお困りの際は、スローライフまでご相談ください。数多くの独自ノウハウをもとに、郊外での不動産売却を積極的に行っています。お客様のご要望を細かくお伺いし、売却費用や売却方法の紹介、売却の進め方などをご案内します。ご満足いただける取引ができるよう、専門スタッフがしっかりとサポートしますので、お気軽にお問合せください。

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